2022-01-01から1年間の記事一覧

再々々開その2

生まれたときには、バブルは弾けていた。 世間の「まだいける」な気分や、遅れてできてくる建築など、余韻は微かにあったらしい。しかし物心つく頃にはもう、みんな夢から醒めていたようだ。肩パッドをいからせた人たちの群れとか、記憶に無い。たまに見かけ…

再々々開その1

職場と、職場の最寄駅との間に、幅数十メートルの川がある。仕事の行き帰りで毎度、橋から水面を眺めるのだが、いつも風にさざめくだけで流れがない。水門のおかげということらしい。岸辺も整地されつつ草木が残されており、人為的ながら都会のオアシスとい…

再々開その4

普遍的にある残酷な現実。それを理解する時期は、自分の場合は小学校1・2年頃だったように思う。死という概念の存在、戦争の事実。知ったときの衝撃は胸に大きな穴を開けた。隙を見せれば今でも顔を出す恐怖、これから先も、この恐怖と連れ立って行くんだ…

再々開その3

ゆうパックの内勤バイトをしていた頃。集配員の中に虚言を吐く人がいた。高倉健とタメ張れる人がこんなところで2トン車転がしてる訳がない。そう思いつつ、嘘でもそんな話を聞けるのは面白いなと思った。 そのオジサンは、言うなれば孤高の人…つまり周りか…

再々開その2

梅や桜の話をしたくなったのは、花を見る度に思い出すことがあるからである。 高1の3学期の終盤、昼に学校が終わって早く家に帰った日。我が家は団地の3階、午後の安らかな陽光にベランダへ出てみると、眼下の生け垣の梅がキラキラと輝いていた。花弁の薄…

再々開その1

やはりと言うべきか。自分の三日坊主癖は相当なもののようで、呆れを超して、もう笑うしかないというレベルである… しかし、それは元々わかりきっていたこと。三日坊主をして、その後どうしていくかが問題である。このまままた何ヶ月も何年も放っておくのか…

再開その4

大型電気量販店にある時計売り場が好きである。特に掛け時計や置き時計のコーナーは格別だ。突き詰めたシンプルさや、あるいは生活を邪魔しない程度の装飾を施した時計たちが、買われた後は徐々に失っていくであろう自己主張をこの場では大いに発揮して、僕…